裏のない物事などない。裏があるから表があって,表を返せば裏になる。ちょっと気を緩めたら見落としてしまう裏に気を付けながら,付き合っていく必要がある,人も,ニュースも,ソフトもね。
最近登場したピアトゥピア型のソフトが呼び出す「トップテキスト」というツールは,ブラウザ内で動作し,ウェブページ中の文字に関連ページへの広告やリンクをはる。これは例のレッドモンドの会社のスマートタグという技術(過去記事)と一緒だ。このソフトを提供するカザー(KaZaA)は,トップテキストのリンクシステムを運営する会社の息がかかっている。
ファイル共有ソフトというのは,長い時間バックグラウンドで立ち上げているし,共有されているファイルというのは,人気のバロメーターとも密接に結び付くので,企業のマーケティングには重要だ。そんなファイル共有ソフトのひとつとして,人気も得ているカザーのカザー・デスクトップというソフト,表立っては全然書いていないが,記事のトップテキストを勝手にインストールしているようで,非難されている(たとえばこのサイト)。
他のファイル共有ソフトも,いわゆるスパイウェアを採用しているところが多く(CNET Japanの記事),なかなか気が抜けない。さすがにトップテキストは駆逐されそうだけど,それらをみていると,やっぱりこの手のソフトが,広告やマーケティングと密接に結び付いている証拠ともとれる。私たちの生活とも大きく関わるソフトなもんで手放せないし,私たちはそこいらの,裏,を垣間見ながら,付き合うソフトを選択していく必要がある。表の便利さだけを知っていてはいけない,わけですな。
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